~である 存在する
自分自身であること
自分自身でありながら他者と存在すること
他者と存在しながら自分自身であり続けること
アンビバレントな感情、自信、コンプレックス、独立、依存、競争、協力、
諦めなどをキーワードとし「存在する」ということについての身体的、心理的考察
批評:
岩淵多喜子のような作家の登場をダンス・ファンの多くは待ち望んでいたとは言えないだろうか。ストーリーや人間模様を描くわけではないのに、動きのフレーズの反復や切片が見るものの心を揺さぶり、人生の機微に触れたような深い味わいを残す。「Be」はその開始からスリリングだ。5人の男女がスピーディーに入り、交叉し、デュオを生み、走り去る。安定を許さぬ5という奇数がダンサー間の融合を促し、関係を流転させていく。ここに展開するのはいわば「関係性のダンス」・・・他の身体との間に結び得る関係の豊かさがそのままダンスの豊かさとなっている。これは「感情のダンス」でもある・・・間合いのかすかな暴力性が、ざわめきと痛みの感触を呼び起こす。
>>竹田真理(DANCEART 2000夏号より)
シンプルに提示されたムーヴメント
‥ダンス・シアター・ルーデンスは二月二十六〜二十八日、岩淵多喜子振付の「Be」を上演。カンパニーの中心メンバー太田ゆかりを中心に、パントマイム出身など、五人の個性的なダンサーたちが登場した。舞台装置がほとんどないシンプルな舞台で、さまざまに組み合わせを変えながら、ムーヴメントそのものを見せていく。太田は透明感のある踊りを見せ、作品の核となった。また、パントマイム出身のダンサーとのとぼけた掛け合いも、リラックスした空気をもたらしていた。‥
>> ダンスマガジン六月号より
【振付・構成】 岩淵多喜子
【共同振付・出演】 太田ゆかり 大塚啓一 金森裕 高橋淳 Maude le Pladec
【音楽】 シューベルト、ヤン・ティールセン、モーリス・ラベル、ノイズアート
【照明】 岩品武顕
【音 楽 編 集】 堀川恭子
【衣裳】 Dance Theatre LUDENS
【所要時間】 60分
【上 演】
◉2000/2 第4回 パークタワーネクストダンスフェスティバル (パークタワーホール/東京)
主催 パークタワーアートプログラム/協賛 アサヒビール(株)/提供 東京ガス都市開発(株)
◉2000/3 アートコンプレックス1928 提携公演(京都)